第一回読書会 5/29(日) 「スリーティー」にて

課題本「Yの悲劇」エラリー・クイーン

 <プロローグ>

ようやくこの第一回読書会を迎えられたことを大変うれしく思います。思えば去年の11月にミス研が成立して約半年、やっとこのときを迎えることができました。今日参加してくれた皆さん、どうもありがとうございます。楽しく読書会やっていきましょ〜!

 と、まあ前置きはこの辺にしといて、「Yの悲劇」を課題本として選択した理由について語りましょう。それは正しく、有名な古典ミステリだからです。僕は必ずしもそうだとは思いませんが、ミステリを読むにはやはり通るべき“古典”という登竜門をまずは読んでおくべきです。温故知新ですね。そういうわけで「Yの悲劇」を第一回課題本に選ばさせていただきました。

 

 <第一幕・エラリー・クイーンに迫る>

エラリー・クイーンEllery Queen)は、アメリカの推理作家。実は、フレデリック・ダネイ(Frederic Dannay)、マンフレッド・B・リー(Manfred Bennington Lee)が探偵小説を書くために用いた筆名の一つ。ダネイとリーはいとこ同士である。大成功を収めた小説シリーズでは、エラリー・クイーンは著者の名前だけでなく物語の名探偵の名前でもある。

経歴

クイーンの処女作となった『ローマ帽子の謎』から『スペイン岬の謎』までの国名シリーズは、すべての手がかりが与えられたところで読者への挑戦状が挟まれるなど、本格探偵小説として評価が高い(第1期)。

『中途の家』から『ドラゴンの歯』までの5作品は、クイーンがハリウッドで脚本の仕事を始めたり、女性誌に作品を発表したりし始めたことから、恋愛小説的要素が増えた(第2期)。

ライツヴィルという架空の地方都市を舞台にした『災厄の町』から、人間の心理面に重きが置かれるようになり、『九尾の猫』では悲劇的な真相に気づいた探偵エラリーが涙を見せるなど、超人的な名探偵であったエラリーが、間違いを犯し苦悩することもある人間として描かれる。そして、中年となったエラリーが三十年前(『ローマ帽子の謎』と同時期)の事件の真相に気づく、集大成的な作品『最後の一撃』でこの時期は終わる(第3期)。

クイーンの晩年にエラリー・クイーン名義で発表された作品のいくつかは、ダネイやリーの監修は受けていたと考えられるものの、実質的な執筆は二人以外の作家により行われたことが知られている。代表的なものには、シオドア・スタージョンによる『盤面の敵』、エイヴラム・デイヴィッドスンの手になる『第八の日』・『三角形の第四辺』などがある(第4期)。

また、エラリー・クイーンは、推理小説専門誌 エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジンEllery Queen's Mystery Magazine を創刊して新人作家の育成を行ったり、アンソロジーの編纂により過去の作家の佳作を発掘するなどの活動も広く行った。クイーンの小説は「アメリカミステリそのもの」と言われ、論理的な展開が特徴。現在でも世界中にファンが多い。

著作リスト

長編

短編集

 

バーナビー・ロスとは

バーナビー・ロスBarnaby Ross)は、アメリカ探偵作家。後にエラリー・クイーンEllery Queen)の別名義であることを公表したため、下記の著作は現在エラリー・クイーン作として出版されている。

探偵役は、引退した舞台俳優ドルリー・レーンDrury Lane)。 特に『Yの悲劇』は、SS・ヴァン=ダイン の『グリーン家殺人事件』の影響を受けつつも、さらに意外な犯人で、推理小説の歴史に残る傑作とされる。

著作リスト

         1932 Xの悲劇 (The Tragedy of X)

         1932 Yの悲劇 (The Tragedy of Y)

         1933 Zの悲劇 (The Tragedy of Z)

         1933 レーン最後の事件 (Drury Lane's Last Case)

以上  Wikipidiaより抜粋

 

 <第二幕・読後の個人的感想>

 かなり個人的な感想を言わせていただきます。はい、確かに楽しく読ませていただきました。すばらしい古典作品だと言えるでしょう。特にその鋭い論理性は目を見張るものがありました。しかし、何でしょうか。何か無難にうまくまとめて来たという感じが否めません。犯人設定や、謎解きの場面はとても面白いと思いました。でもそこには「へー」や「合点、合点」と某テレビ番組のようにボタンを押したくはなるような“納得”はあるものの、“驚き”はあまり得られませんでした。これは好みにもよりますが、僕は論理の積み重ねを重視するミステリよりは大技トリック一発のミステリの方が印象に残りやすくて好きです。それから読んでて思ったんですが、僕は読みはじめから最後の方まで、どうもドルリー・レーンという人物が好きになれませんでした。なんかこの人、冷たい人だなと感じませんでしたか?しかし最後の場面でレーンがなぜ誰が犯人かを分かっていながら言わなかったのかを説明する件を読んで、レーンの人としての温かさを感じることが出来て、なんかうれしく思いました。

 あと一言言うとすれば、僕はやっぱり3人称の物語より、1人称の視点から書いた物語が好きです。でもこんな僕でも楽しく読めたんだから「Yの悲劇」はすばらしい作品だったんだろうなぁ。

 

 <第三幕・感想を出し合ってみてください>

★トリックについてどう思うか?

 

 

★登場人物たちに対して抱いた感想は?

 

 

★ハッター家のゆがんだ血縁について。悪性の血とは(脳)梅毒のことか?

 

 

★最後の場面でサム警視が「犯人は大きな失敗をやりましたね。ルイザ・キャンピオンに飲ませるつもりの毒入りミルクを自分自身で飲んでしまいましたが、どうしてあんなことになったんでしょうか?」に対するあなたの見解は?

 

 

その他

 

 

 

 

 <エピローグ>

 みなさん読書会楽しめたでしょうか。「Yの悲劇」に対する見解を深めることは出来たでしょうか。今日の読書会に参加してくださった皆様、どうもありがとうございました。これからもどんどん読書会をやっていきましょう!

 

 

 <舞台裏にて>            

 わくわくドキドキの読書会に向けて「Yの悲劇」を課題本として選択した僕は、早くから読み終えてレジュメを作って準備していた・・・わけではなく、このレジュメは読書会当日の朝、昨夜の飲みの酔いを引きずりながら時間に追われ焦って作ったものです。しかも、パソコンの調子も悪かったため、大したレジュメは作れていないかもしれませんが、どうかその辺はまぁ大目に見てやってくださいまし。